2016年12月12日

「この世界の片隅に」を観て来た話

映画が安い日ということもあり、ちょっと耳に入ってきていた映画を観に行くことに。
「この世界の片隅に」を観て来た話
タイトルは「この世界の片隅に」というものです。
監督・脚本の片渕須直氏は、ブラックラグーンのアニメの監督・脚本だったとか、ゲームではエースコンバット4と5の脚本を担当したと知り、さらに関心が高まったりもしておりました。

あらすじを簡単に説明すると、広島から呉に嫁いだ女性の普通の日常を普通に描いた映画です。
ただ一つ我々の知る日常と違うのは、時代が太平洋戦争中ということ。

戦時中で広島、というともう脊髄反射のように別な作品やイメージが頭をよぎる方も多いことでしょうが、この映画は「ほら戦中だよ、広島だよ、つらいよ、残酷だよ、悲しいよ」という反戦作品的な訴えをほとんどしてきません。
いや、してこないというか、わざと隠して観た人に想像させる作りになっているというか。
もちろん戦時中、空襲を何度も受けた呉が舞台ですので、登場人物が亡くなることもあるのですが、それもショッキングなシーンとしてやたらと盛り上げるのではなく、当時「死」が普通に身近な事だったかのように流れていきます。
同じ時代をこういう描写で語る方法もあるのか、と感心すると同時に、描写されない部分を別作品のイメージで勝手に補完してしまい、相乗効果でぐっとくるシーンがあったり。



舞台は軍港のある呉なので、艦艇もしっかり描かれており、ミリタリー趣味者や艦これで海軍に興味を持った方にも見どころはあるかと思います。
大破着底した青葉が描かれた作品なんてそうそうありません。
また空襲の音、対空砲火の音の迫力は、映画館で味わう価値がありました。

そして観た人の、キャラクターへの感情移入する力がどのくらいあるかを示す、リトマス試験紙のような作品でした。
原作の漫画は全3巻、買って読んだ上でもう一度観に行こうと思います。





Posted by Izu[o'-'o]  at 08:09 │Comments(0)感想文

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